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AEDがある安心から  AEDを使える安心へ

AEDがある安心から  AEDを使える安心へ

2004年7月より医療従事者でない一般市民がAEDを使用できるようになり10年以上が経過しました。
駅や一般の公共の場でAEDを目にする機会が増えましたが、オフィス内へのAEDの設置はまだまだ進んでいません。オフィスビル内でAEDが設置されているところは増えましたが、設置場所はロビー・廊下等の共用部やビルの防災センターなどが一般的です。
ある外資系大手化粧品メーカーが、首都圏の高層ビルの一角にオフィスを構えています。同社のオフィスは高層階にありますが、そのビルの1階には数台のAEDを配備されていました。ところが、この会社では1階のAEDとは別に、オフィス内に13台のAEDを追加導入しました。
ここに至った背景を同社の環境・衛生・安全管理部長であるマーク・ウォレス氏に伺いました。

外資系大手化粧品メーカー
環境・衛生・安全管理部 マネージャー

マーク・ウォレス様

アメリカで救急医療に携わりパラメディックとして働いていた経験があり、
家族の事情で来日、日本でも救急医療に関わる仕事に従事したいという気持ちから
コンサルタント業、医療用機器販売業などを経て現職入社。
社員の為、お客様の為に環境・衛生・安全管理に関する方針や施策を社内に展開し、労働環境の改善を進めていく役割を担っている。

マーク・ウォレス様

職場で心停止が起こったとしても1分以内でAEDが取りに行けるようにAED13台を一斉導入

——オフィスビル1Fには既に複数台のAEDが設置されていたにも関わらず、オフィス内にAEDを設置した理由をお聞かせください。

アメリカで救急医療の仕事に携わっていた事もあり、常にAEDを使用した一時救命処置が重要なものだという意識を持っています。日本でAEDの普及は進みましたが、一般市民の一時救命処置に対する意識はそれほど高くないと感じます。
日本ではアメリカのように、社内でAED管理の役割が決まっていたり、職場での教育プログラムに救命救急の教育が組み込まれている会社はそれほど多くないと思います。現職に着任して当時のオフィス環境を見た時、「オフィスで心停止が起こった時に社員を救命するためのAEDの設置数が充分でない」とすぐに感じました。このままでは心停止が起きた際に社員を守る事が出来ない、「何とかしなければ」という熱い思いが込みあげてきました。
オフィスビルの1階にAEDが複数台設置されていても、オフィスが所在する10階以上の高層階までには少し距離があります。
現状のままでは心停止が起きた際に、電気ショックを2分以内で行う事が困難で、心停止発生から10分以上経過してしまうことが明白でした。
そして、オフィス内へのAED導入のプロジェクトの発案に向けて、オフィスのレイアウトを細かく確認後、AEDの適正配置を考慮し、オフィスには最低何台のAEDが必要だという事をマネージメントに訴えました。

AED予算の承認はとれたものの導入できる数は限られていた

——社内承認をもらうまでの経緯と困難だったことをお聞かせください。

AED予算の確保は、ビジネスケースを明確にしてシニアマネジメントを説得する必要がありました。
科学的なデータと、これまでの経験、そして緻密に算出されたコストを織り交ぜた提案で、すべてのオフィスの入り口に1台配備する計画が承認されました。私自身の理想のAED設置台数があったのですが、会社で承認された予算は限られていました。AED1台あたりおよそ35万円で約6台の導入が可能だという状況でしたので、限られたAEDの台数での適正配置に少し頭を悩ませていました。そんな中、導入を検討していた時期に、良いタイミングでフィジオコントロール社のAED「サマリタン™ PAD 350P」と出会いました。

▲サマリタン™ PAD350P

コスト・大きさ・使いやすさの全てが求めていたAEDと完全にフィットしていた

——AED機種選定で重視した点についてお聞かせください。

機種選定の一番のポイントはAED運用のトータルコストでした。サマリタン本体と消耗品は長寿命設計です。それはAEDの運用を長期的に見た時にトータルコストを抑える事が出来ると感じました。
さらにAEDがコンパクトなので設置場所(設置形式)を選ばない点も魅力の一つでした。また、電極パッド・バッテリの交換はカートリッジ式なので簡単な事、さらにサマリタンの表面パネル上ではLEDランプが点灯し操作をサポートしてくれますので、AEDが英語版でなくても、社内の外国人社員も使用し易いと感じました。本体のデザインも会社のイメージにとても合っていましたので、全てが私達の求めていたAEDと完全にフィットしていました。私自身がフィジオ社の歴史を知っていたことも安心材料になりました。

コスト・大きさ・使いやすさの全てが求めていたAEDと完全にフィットしていた

AEDの設置場所がすぐにわかるように各フロア同じ場所、同じ高さ、同じサインで設置に心がけを

——AED設置の際に配慮した事はございますか?

誰もがAEDの設置場所を確認できるように、各フロア同じ場所、同じ高さ、同じサインでAEDを設置することに心がけました。AED設置場所はわかりやすく見やすいこと(Simple is the best and visible)が重要なので、各階のフロントにAEDの入ったリュックサックを壁にかけてAED設置ステッカーと一緒に設置をしました。社内には特別なお客様の来社があり、お客様にも安心して頂けるようにお客様センター内にもAEDを設置しています。

AEDの設置場所がすぐにわかるように各フロア同じ場所、同じ高さ、同じサインで設置に心がけを

AED導入して2カ月以内に全社員へ向けてAEDを使った救命講習を開催

——AED導入後、社内の変化をお聞かせください

AED設置当初は、正式に社内アナウンスをしていなかった為、AEDの入ったリュックサックがオフィス入口の壁にかけてあるので、社員からは「これは何?」という反応が多くありました。そのたびに言葉のみで説明するのではなく、直接体験してもらいたかったので、リュックサックからAEDを取り出してAEDに触れてもらいました。初めてAEDに触れるという社員がほとんどでした。それからすぐに社員を対象としたAED講習を計画、AED導入後2カ月以内に全社員に向けて初めて救命講習を行いました。講習はハート(心臓)をテーマにバレンタインデーに行い、今後もこのようなハートをテーマにしたイベントを定期的に行っていきたいと思っています。

AED導入して2カ月以内に全社員へ向けてAEDを使った救命講習を開催

誰かの命を守る為に、オフィス内にAEDを設置して投資する価値が大いにある

——救命事例についてお聞かせください。

着任して未だ日が浅く、これまで社内で救命事例があったという話は聞いたことがありません
ただ、今後社内で突然の心停止が起こる可能性は大いにありますので、社員の命を守るために、オフィス内にAEDを設置するという投資をする価値は大いにあると思います。
私自身スポーツが好きなので、スポーツを行うときには、私が個人で持っているAEDをを必ず持ち運ぶようにしています。以前、サッカーの試合中に40代の男性が突然倒れた事がありました。すぐにAEDを持っていき、心肺蘇生を始めAEDを使用しました。そのおかげで1分以内で電気ショックを行う事ができ、男性は救急隊到着前には一命を取り留め、その場で意識が回復しました。もしAEDが近くになかったら男性は助かっていなかったかもしれません。AEDが近くにある事の重要性を感じさせられた瞬間でした。

誰かを守る為に何かできる~It's something we can do to save somebody~

——マークさんの想いをお聞かせください。

一次救命処置は人と人が協力することがとても重要です。多くの社員にこのAED設置をきっかけに、AEDの使い方や人が倒れた時の対応を知ってもらいたいと思います。私自身、会社の環境・衛生・安全管理体制はこうであるべきという理想の姿があるため、その責任を担う役割であることを重く受け止めています。今回の講習は出来るだけ多くの社員に参加をしてもらう事が目的でしたので、事前に社内にポスター掲示など行い社員全員に参加するように呼びかけをしました。講習開催中も参加を呼び掛けるメールを全社員へ送ったこともあり、今回の講習は沢山の社員が参加しました。
これらの活動は大切な社員とお客様を守る為です。今回の講習をキックオフとして、今後もさらに社内での安全管理体制を強化していきたいと思っています。

誰かを守る為に何かできる~It's something we can do to save somebody~

新入社員には必ずAED講習を実施し、全国的にAED設置の展開も視野に

——今後の取り組みについてお聞かせください。

今後は社内で定期的にAED講習を行う予定です。既に今年3月から新入社員には必ずAED講習を行うことが社内で決まりました。 1年に1回くらい社内で大きな講習を行い、さらに上級者講習や外国人社員向けの英語での講習も計画中です。また、今回は特定のオフィスへAEDの一斉導入を行いましたが、今後は全国的に他の営業所や事務所などにもAED設置を展開していきたいと考えています。