1. AEDトップ
  2. BLOG PCJ
  3. より効果的なAEDの活用に向けて
    ~AED設置場所の検討と情報公開~

より効果的なAEDの活用に向けて
~AED設置場所の検討と情報公開~2013.09.17

過去の不幸を次の命につなげるために。

より効果的なAEDの活用に向けて<br />~AED設置場所の検討と情報公開~

2011年8月、サッカー元日本代表の松田直樹選手が練習中に倒れ、帰らぬ人となった不幸な事故は記憶に新しいと思います。
松田選手が倒れた事故当日は、練習場所がいつものグラウンドではなく、救助に使われるべきAEDが設置されていなかったという不幸な偶然が重なったことも、救命につながらなかった大きな要因でした。
過去の事故を振り返ると、AEDの設置数がまだまだ足りていないとはいえ、「どこに設置するか?」についても、議論を深め工夫を重ねる必要があると言えるでしょう。
AEDの設置に関して、法律による統一された設置基準はなく、設置者の理解や予算に左右されているのが現状です。
今後は、そのコミュニティや自治体、或いは行政などが計画的、戦略的にAED配備と救急心肺蘇生の啓蒙活動を展開していくことこそが、救命率改善の近道となるでしょう。

AEDでより多くの命を救うための設置場所。

AED設置のための基準を絞り込むべく、近年では日本循環器学会などで、AEDの効果的な設置場所基準についての議論が深められています。
確率論だけで考えると、心停止が発生しやすい場所に設置すれば良いと考えがちですが、救命のためには突然倒れた人を救助する役割の人が必要です。
病院外の心停止の7割が住宅で発生すると言われていますが、救命確率を考えると、公共の場所など、救命者となる目撃者が多くいる場所にAEDを設置するほうが、より多くの人を助けることができるといえそうです。
2005年のヨーロッパのガイドラインでは、空港、カジノ、スポーツ施設など、少なくとも「2年間に1件以上の割合で心停止が発生する可能性がある場所」がAED設置に適しているといわれています。
一方で、アメリカではその基準を「5年に1件以上、心停止が発生する場所」としており、この基準では公共の場の2/3の心停止がカバーできると言われています。
同時に、救助の公平性という意味では、旅客機や離島など、救急隊の手が届きにくい場所にも配慮する必要があるでしょう。

AED設置場所を知ると言う事。

単にAEDを発生頻度の高い場所に設置するだけでは、効果的な活用にはつながりにくいでしょう。
1分1秒を争う事象ですから、AEDがどの施設に “いくつ” “どのように” 設置されているかをしっかり把握し、周囲に周知することで、円滑に活用される工夫を考える必要があります。
日本救急医療財団や一部の自治体では、設置場所をデータベース化し、その情報をWeb等で公開する取り組みも行っています。今後は、AED設置者の協力を得て、設置場所の情報を公開していく動きが活発になって行くでしょう。
また、常設でなくとも、AEDの準備が必要な場所もあります。
たとえば、マラソン大会などの突然死のリスクがあるイベントや、スタジアム、心臓震盪(しんぞうしんとう)※ の危険が想定されるイベント(例えば、格闘技、野球など)への臨時の設置も考えて行く必要があるでしょう。

※心臓震盪についての詳しくは、前回のブログを参照ください。

参考:日本循環器学会AED検討委員会・日本心臓財団「AEDの具体的設置・配置基準に関する提言」