1. AEDトップ
  2. BLOG PCJ
  3. 学校教育におけるAEDは今どうなっているの?

学校教育におけるAEDは今どうなっているの?2016.05.02

全国の学校でのAED普及率は9割以上
突然死の報告数は減少傾向

医療従事者でなくともAEDを使用できるようになってから丸12年が経とうとしています。駅やショッピングセンター、ホテルや体育館など、多くの人が集まる公的なスペースへのAED設置は大きく進展しました。

健康教育を促進する学校でもその動きは顕著で、文部科学省発表の学校における自動体外式除細動器(AED)の設置状況調査データによれば、平成25年の幼稚園や特別支援学校を含めた全学校のうち約92.2%が「AEDを設置している」もしくは「AEDの設置を予定している」と回答しています。平成20年の同データが49.1%だったことを考えると、その普及がいかに急速であったかが分かります。

日本スポーツ振興センターのデータの心臓系の突然死の事例数に目を向けてみると、年間20件以上起こっていた事例が、平成24年は10件弱、平成25年は14件、平成26年は13件と減少傾向です。このデータは、AEDの設置台数の増加に加えて、救急救命講習をはじめとした指導の結果といえるかもしれません。

学習指導要領における取り扱いが増加
さらなる指導内容の充実が期待される

学校における救急救命の教育がもたらす効果は多岐にわたります。校内で万が一の事態が発生した際に迅速な対応が期待できる他、児童・生徒に広く救急救命の知識が広まることで、約7割が自宅で発生するといわれている心停止に子供達が何かしらの対処できる可能性が高まります。さらに、倒れた人、困っている人に積極的に声を掛ける、無関心に通り過ぎない、と言った基本的な態度を身につける効果も期待されます。

平成20年以降、中学・高校の学習指導要領には心停止状態時のAEDの必要性が記載されたほか、文部科学省の学校安全推進事業として、教職員に対する心肺蘇生法実技講習会の実施が推進されています。

しかし、AEDトレーナーまで導入して実技指導している学校は少ないのが現状です。さいたま市で小学校の課外活動中に突然倒れ、AEDが使われることなく亡くなった桐田明日香さんの例が教訓となっている通り、AEDは設置されるだけでなく、万が一の際に「迅速に救助ができる/使える状態である」ことがとても大切です。

2015年12月の中央教育審議会の答申では教員養成課程の全コース(幼・小・中・高のすべて)で、「学校安全」を必須の内容にすべきだと明記されました。学習指導要領においても、さらなる指導強化が予定されており、救命救急意識の高まりが感じられます。しかし、この「学校安全」という文言にBLS教育がどの程度はいっていくかは今後の課題ではあります。

2020年のオリンピック開催に向けて、学校における安全教育をめぐる動向や安心安全のインフラ作りがどう強化され、どう発展していくのかに注目です。

参考文献:「平成27年版 救急救助の現況」(総務省)
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/kyukyukyujo_genkyo/h27/01_kyukyu.pdf
独立行政法人日本スポーツ振興センター:http://www.jpnsport.go.jp/
文部科学省:http://www.mext.go.jp/
突然死の予防に向けて(日本スポーツ振興センター)
http://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kenko/jyouhou/pdf/totsuzenshi/
22/totsuzenshi22_2_1.pdf