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子どもたちが 命の大切さを学ぶために2015.02.27

子どもへの啓蒙を救命率向上につなげる

子どもたちが 命の大切さを学ぶために

予期せず心原性心停止が発生した場合、現場に居合わせた人(バイスタンダー)の適切な応急処置が生死を分けることがあります。
つねに私たち自身がバイスタンダーになる事態を想定し、救急意識と知識を持っておくことが救命率向上の近道となります。
一人でも多くの人に救急意識を持ってもらうためには、子どもの頃からの啓発活動が大切です。
全国各地で積極的な取り組みがスタートしていますが、消防庁がまとめた『救急業務のあり方に関する検討会 報告書(平成25年度)』によれば、各都道府県が小学校中高学年を対象に講習を実施しているケースは10.6%に過ぎません。
人員・財源の不足を理由に、現状では各消防本部の普及活動にその役割を委ねているケースがほとんどです。
しかし、各消防本部による小学校中高学年を対象にした講習実施率も54.5%と決して高いとはいえないのが現状です。
ここでは、各地の取り組み事例を見ながら、さらなる啓蒙に向けたヒントを探りたいと思います。

まずは周囲への理解を深める工夫から

北海道の北広島市消防本部では、平成24年4月から地域の小学校の授業の中で救命講習が実施されています。
小学校の授業で講習を実施するためには、授業計画を含めたさまざまな調整が必要です。
消防本部からの働きかけには限界があり、講習が行いやすい環境をつくるには、各教育機関と地域の理解が欠かせません。
北広島市の例では、退職した教員やPTA役員経験者が“学校地域コーディネーター”となり、授業として実施できるように調整を行ったそうです。
同様に、福岡市消防局が福岡市教育委員会と連携して講習を実現した例では、以前から教職員への救命講習を定期的に実施していたことが大きな後押しとなりました。
教育委員会をはじめ、教員の理解が得られやすい環境であったことが、授業での講習を実現した一因といえるでしょう。
この救命講習では、DVDを活用した一斉実施方式のみならず、子供たちに空き箱を持参してもらい、消防局であらかじめ作成した自作AED用ステッカーと合わせて工作を実施します。
子供たちは、この自作AED用ステッカーを貼り、簡易的なAEDを制作します。また、この自作AEDの裏側に救命講習の感想を各自記入します。
講習終了後、自作AEDを自宅へ持ち帰り、家族との救命教育についての会話を促すことで、広く地域社会への啓蒙にもつながるでしょう。
このように、子どもたちが講習を受けやすい環境をつくり出すためには、講習の実現を直線的に考えるだけでなく、教育機関や家庭への啓蒙を含め、包括的な普及策を行うことが大切です。
また、これにより命の大切さを学ぶ効果も期待されます。

参考文献:消防省 (2014)「平成25年 度救急業務のあり方に関する検討会」