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    ~ノンバーバルBLS普及の取り組みについて~

障がいの壁を越えて 誰もが助け合える社会を目指す 
~ノンバーバルBLS普及の取り組みについて~2017.03.15

障がいがあっても大切な人を守りたい

講習写真1

2011年3月11日東日本大震災。この時、避難指示を告げる防災無線の声が届かず、聴覚に障がいを抱えた多くの人が逃げ遅れた現実をご存知ですか?

この悲劇がきっかけとなって、言葉に頼らずにジェスチャーなどで意思疎通を図りながら、一時救命処置を行うことができる「ノンバーバルBLS」は生まれました。

発案に関わったのは、自身も聴覚障がいがあり、NPO法人宮崎ライフセービングクラブに所属する横手奈都紀さん。
ボディーボードの現役プロ選手でもある横手さんは、過去に人命を救助した経験もあるそうです。
当時現場に居合わせたのは全員聴覚障がいがあるサーファー仲間で、一人は救急車を呼ぶために近くにいる支援者を探し、他の人は傷病者へ胸骨圧迫を行ったり、傷病者の体を温めたりして全員が協力して救命活動を行いました。

幸いにも傷病者は一命を取り留める事ができたそうですが、そんな横手さんはある救命講習に参加した際に、「障がいのある人は無理に救命処置を行わなくてもいいです」と言われショックを受けました。「障がいがあっても、もしもの時には家族や大切な人を助けたい!」という強い気持ちから、ノンバーバルBLSの体系化や普及活動に加わることを決意したそうです。

シニア・外国人が増える今後,さらなる期待が高まる

講習写真2

ノンバーバルBLSは、まだ確立したプログラムがある訳ではなく、手探りで最も適したものを模索している最中です。
講習は、健常者と障がい者を分けずに一緒に講習に参加することも特徴です。
障がい者と健常者がペアを組み、手話で通訳しながらひとつずつ動きを確認するため、よりいっそう内容が濃い講習になっているそうです。

まだまだ障がい者自身が、講習受講への一歩を踏み出すための勇気が足りなかったり、教える側は一分間に胸骨圧迫100-120回の押すテンポを伝えるのが難しかったり、聴覚障がい者ならではの苦悩はあります。
しかし講習に参加した方からは「手話が使えなくても、ジェスチャーが分かりやすかった」など、好評価を受けています。

今後、耳が聞こえづらいシニアが増える超高齢化社会の到来や海外からの旅行者の増加など、言葉が通じない場面が増えることが予想されます。

身振り手振りを使ってスムーズな救命活動を遂行することができるノンバーバルBLSは、言葉が通じないケースにこそ有用ですから、今後ますますの発展が期待されます。

聴覚障がい者や声が出せない方も慌てずに救命活動ができる社会を目指して活動を続ける宮崎ライフセービング協会、日本ライフセービング協会の動きに今後も注目していきたいものです。

次回はNPO法人宮崎ライフセービングクラブが行う講習の現地レポートをお届けします。

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