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    少女の死を無駄にしない 迷ったらAEDを使う
    目の前にいるあなたしか救えない命がある

〜11歳の命が、未来の命を救うvol.1〜
少女の死を無駄にしない 迷ったらAEDを使う
目の前にいるあなたしか救えない命がある2015.06.30

目の前にいるあなたしか救えない命がある

〜11歳の命が、未来の命を救うvol.1〜<br />少女の死を無駄にしない 迷ったらAEDを使う<br />目の前にいるあなたしか救えない命がある

2015年6月、埼玉大学教育学部で行われた道徳教育論の授業を聴講させていただく機会がありました。
講師は同大の桐淵博先生、体育活動時等における重大事故を未然に防ぐ対策や事故発生後の対応について示した「ASUKAモデル」の作成に尽力された方です。
作成にあたっては、どんな経緯があったのか、その想いとともにご紹介します。

少女の死をきっかけに「ASUKAモデル」が誕生

ASUKAモデルの作成は、2011年に起こった悲しい事故がきっかけです。当時小学6年生だった桐田明日香さんが駅伝の課外練習中に倒れ緊急搬送、翌日に亡くなりました。
現場には数名の教師もいましたが、倒れた直後には“けいれん”や“死戦期呼吸”と呼ばれる“あえぐような呼吸”があり、心停止が起きているとは誰も判断ができず、校内にあったAEDは使われませんでした。
当時さいたま市の教育長だった桐淵先生は大きなショックを受け、ご両親の「二度と同じことを繰り返して欲しくない」という強い想いとともに、再発防止に乗り出しました。
教育委員会とご遺族を含めたチームを結成、万が一の際に迷わず行動するための対策や対応方法をまとめたASUKAモデル作成の第一歩となりました。
明日香さんの事故を受け、現在さいたま市では、小学生5年生から体育の授業にBLS(Basic Life Support)教育を取り入れ、すべての中高生がAEDを含む心肺蘇生法ができることを目指した取り組みを行っているそうです。

救助者の体を動かし、心を救うASUKAモデル

事故未然防止を目的としたテキストである「AUSKAモデル」は、従来の危機管理マニュアルに記載されていた「呼吸あり」「呼吸なし」の項目に加えて、「分からない」という選択肢が加わっていることが大きな特徴です。
突然の心停止は、最初の数分間の対処が、その後の結果を大きく左右します。“迷ったらAED”を使うこと。
それがASUKAモデルに込められたメッセージのひとつでもあります。

応急手当実施率の推移1.jpg

また、AUSKAモデルがもたらしてくれる恩恵は、マニュアルとしての機能だけではありません。
救命の現場では、救助する側の心にも大きな負担がかかります。
万が一傷病者を助けることが出来なかった場合、そのストレスは図りしれません。
しかし、ASUKAモデルを通して十分な準備をしておくことで、救助者は「やるべきことをやった」と思うことができます。
そう思えると、少しでも心は安定するはずです。
ASUKAモデルは、救助者の知識やノウハウになると同時に、心の柱ともなりうる存在なのです。

参考文献:総務省消防庁 (2014)「平成 26 年版 救急・救助の現況」