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救急救命の今を知るイベントが開催
〜救急の日直前セミナーレポート〜2017.09.29

定期的な救命講習の受講は
救助者の心まで救う

救急の日(9 月 9 日)を間近に控えた 9 月 6 日(水)、千代田区の明治薬科大学の剛堂会館ビル にて、フィジオコントロールジャパン主催の"救急の日直前セミナーが行われました。
セミナーは二部構成となっており、前半は愛知 PUSH1 副代表であり愛知県小牧市消防本部の救 急救命士 田島典夫氏により救助を行った人の心的ストレス"をテーマに講演頂きました。
田島氏によれば、心停止の現場に居合わせた市民による一次救命の普及と啓蒙が進む一方で、実際に多くの心停止で AED が使用されるケースはまだまだ少なく、また、AED 使用後の実態も把握されていません。同氏は、実際に心停止の現場に遭遇した人の心理的動向を、心理学の先生とともに、研究しているそうです。

講演のなかで田島氏は、日本 AED 財団の三田村秀雄理事長の「AED が救うのは命だけではない」という言葉を紹介。AED は、傷病者を救うだけでなく、そばにいて対応してくれた人の心を救い、会社を救うと言います。田島氏はこの言葉にある背景を、ある会社で発生した突然の心停止に関する新聞記事の紹介や、PUSH 講習の受講者が講習受講後に実際に心停止の現場に遭遇した事など、いくつかの事例を挙げてお話しいただきました。2
また、田島氏自身が行う PUSH 講習前後に行った救命に関する意識調査結果や、救急現場に居合わせた方のストレス反応についてなど、普段の救命講習ではなかなか聞く事のできない貴重なお話しが沢山ありました。この意識調査は、講習前の受講者は「助けられなかった場合のことが心配」や「自分の責任になることが怖い」など救命処置を行う事への「抵抗感」が強くあったのが、講習後の意識調査ではその抵抗感が減少、さらに「積極的に救命のために動こうと思う」といった意識が高まる変化が見られたそうです。また救急現場に居合わせた方のストレス症状、そしてその対処法を事前に知っておくことでストレス軽減につながる可能性があると田島氏は云います。
救助にあたった人は「自分がやったことが正しかったのか?」と不安に陥ることが多々あります。「あの時、もっとこうしておけばよかった」と後悔の念にかられる人が多くいるそうです。しかし、その時にできる対処を行えることができれば、「やれることはやったのだから...」と思えてきます。
そのためにも、普段から定期的に救命講習に参加し、万が一の事態に遭遇しても瞬時に胸骨圧迫・AED と考えられることが大切であるとお話しいただきました。

AEDなどの防災管理は
企業存続に欠かせないリスク管理のひとつ

休憩を挟み、フィジオコントロールジャパンのシニアAEDセールスマネージャー佐藤秀俊が登壇。オフィスでAEDがどう認識されているかの意識調査に基づき、オフィス防災の意義を紹介しました。
なかでは、AEDを含めた防災管理は、単に社員・関係者の命を守るだけでなく、リスクを最小限に抑えつつ、ビジネスを素早く再開するBCP(緊急時企業存続計画)の観点でも意義深いと伝えました。
ガイドラインに基づいた AED の設置の目安として「5 分以内に電気ショックができる 300m ご との設置が目安」であるとし、「とっさに動ける"AED を使える人"」を増やしていくことが真の意味で救急救命の浸透につながるとも続けました。

セミナーの最後に質問形式のトークコーナーやコストパフォーマンスの高いコンパクトな次世代AEDが紹介されるなど、トータルで企業の防災管理を考える時間となりました。
参加者は企業の防災担当者など、防災意識が高い人が中心でしたが、リアルな体験や詳細な意識調査に基づいた内容も多かったため、オフィス防災についてさらに深堀りする新たな機会となったのではないでしょうか。

1 愛知 PUSH は NPO 法人大阪ライフサポート協会の協力を得て、一次救命処置の普及・啓発活動を行っている団体です。
2 実例については救命処置をされた方の御厚意により紹介しています。