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AEDを取り巻く現状と課題 第2回
-NPO法人 大阪ライフサポート協会 インタビュー-2014.01.31

AED の普及率は日本が世界一

AEDを取り巻く現状と課題 第2回 <br />-NPO法人 大阪ライフサポート協会 インタビュー-

現在、日本にAEDはどれだけ普及しているのでしょうか。
日本心臓財団の調べによると、2011年12月現在、38万3247台が設置されています。
そのうち、医療機関が20%、消防機関が3%を占め、残りの78%が公共施設など一般市民が使用できるもの(PAD:Public Access Defibrillation)となっています。
日本のAED普及は欧米諸国から遅れていましたが、2002年に高円宮殿下がスカッシュ中に御逝去されたことと、サッカーワールドカップ日韓大会が契機となって、2004年7月に一般市民による使用が認められたことにより、その後一気に広まったという経緯があります。

「今日では、AEDの普及率は日本が世界一だと思います」と西本氏は言います。
ちなみに、人体に強力な電気ショックを与えるAEDを航空機に搭載することはリスクがあると思われるかもしれませんが、AEDは人体に装着すると自動的に心電図を分析し、電気ショックの必要性がなければ作動しないようになっています。
「現在のAEDは一般の人が安心して使える極めて安全なもの」と西本氏。

メンテナンスと“パブリック・アクセス”が重要

AEDを取り巻く現状と課題 第2回 <br />-NPO法人 大阪ライフサポート協会 インタビュー-

日本救急医療財団は、独自に AEDの設置基準を公表し、関係者にその実施を呼びかけています。
まず、設置すべきところは、駅や空港、学校、スポーツ施設、遊興施設など多くの人が集まる場所を指定。
そして、常にメンテナンスを怠らないよう注意喚起しています。
「いくら台数が広がっていても、いざという時に使えなければ意味がありません。その点において、実は問題が多いのです。まず、AEDを設置しただけでよしとしてしまう人が多いのです」と西本氏も警鐘を鳴らします。

問題の1つは、AEDが物理的に使えない状態である場合が多いことです。
「一番多いのは、バッテリーが切れてしまっていて使えないこと。また、体表面に当てる電極パッドが経年劣化しているなど、メンテナンスがされていない場合が多いのです。それだけではありません。AEDが置かれていた学校の保健室が放課後施錠されていて、部活動中に倒れた生徒に使用することができず死亡させてしまったという残念な事例もあります。」
「中には、AEDの使用には管理職の承認や確認が必要というところや、AEDを支配人室の部屋に置くホテルがあるなど、誰もがすぐに使えることが目的のはずが、そういう状態になっていないAEDが多いのです。目に付く場所に設置するなど、本来の“パブリック・アクセス”性を確保して設置していただきたいものです」と西本氏は言います。

いざという時に使えるよう“勇気の後押し”

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もう1つは、人々の“勇気”の問題です。
「人が目の前で倒れる瞬間に遭遇するのは一生に1度か2度という確率です。いざという時、AED を装着してスイッチを入れるのは怖いものです。また、その前に胸骨圧迫をしたほうが効果的なのですが、胸骨を圧迫することも怖いものです。だからこそ、日頃の予行演習が大事なのです」
使い方を知るだけでは、いざという時のためらいまで拭い去れない人も多いでしょう。
「ですから、我々は心肺蘇生法の形だけではなく『あなたの行動が大事なのです』という勇気の後押し、意識づくりを学んで頂くことを心がけているのです」

次回は、AEDの効用についてお伝えします。