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東京オリンピック・パラリンピック等の「マスギャザリングイベント」に向けて2018.05.15

念入りな計画準備が進められている
救急・救護・警備体制

東京オリンピック・パラリンピック等の「マスギャザリングイベント」に向けて

マスギャザリング(mass gathering)という言葉は、一般的にはあまり聞き慣れないものだと思います。日本集団災害医学会では、「一定期間、限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団」と定義しています。多人数の定義は様々ですが、日本では1000人以上とされており、各種スポーツイベント、花火大会、お祭り等を「マスギャザリングイベント」と呼ぶそうです。*1

東京オリンピック・パラリンピックを2年後にひかえ、それもまさに「マスギャザリングイベント」です。会期前に開催される各種イベントも多数予定されています。イベントを通じて日本全体が盛り上がりを感じつつある一方で、救急・救護・警備体制の強化は喫緊の課題となっており、医療に関わる複数の学会がコンソーシアムを結成して議論を行うなど、検討・対策が進められています。*2

有事の影響を最小限に抑えるためには、早めの計画策定と関連機関との十分な調整が欠かせません。計画のなかでは予測できる傷病者への対応と予期せぬテロなどへの対応を両輪で考え、対策と訓練を積んでおくことが最も重要と言われています。

  1. *1 小井土雄一, 他:医療. 2010;64(11):740-5.
  2. *2 http://2020ac.com/index.html
    2020年東京オリンピック・パラリンピックに係る救急・災害医療体制を検討する学術連合体)

東京オリンピック・パラリンピックに向けた新たな取り組み

東京オリンピック・パラリンピック等の「マスギャザリングイベント」に向けて

既に、各種学会やNPO団体による「スポーツ現場における心臓突然死をゼロに」する活動や提言が繰り広げられています。その中の代表的なものとしては、日本循環器学会 日本AED財団による取り組みです。*3 その提言については、こちらをご参照ください。
http://www.j-circ.or.jp/topics/files/aed_tegen.pdf

その提言内容によると、スポーツに伴う心臓突然死の実態については、運動前後1時間の突然死リスクとしては、運動をしていない1時間のリスクと比較して17倍高いことが示唆されているそうです。そのため、オリンピック・パラリンピックの「マスギャザリングイベント」では、突然の心停止を目撃し3分以内にAEDによる電気ショックを実施するには、人が急いでAEDを取りに行く時間を2分とすると約300m毎にAEDを配備することが必要とされています。又、同時にAEDが配備されていても何処にあるかが分からないため、AEDを取りに行くための誘導表示や、対応する救護スタッフやボランティア、警備へのソーシャルメディアを活用した効率的な対応工夫も今後取り組まれて行くそうです。

通常の救急搬送とは異なり、「マスギャザリングイベント」では救急車両や特殊車両が入れないエリアもあると聞きます。そのような環境下では、予期しない事態も考慮した万全な救急・救護・警備体制の構築が不可欠な事は間違いありません。

最近では、警備会社大手2社が約1万4000人の警備員人材確保のため、お互いに手を組み共同事業体を立ち上げ、全国にあるセキュリティー関連会社100社に参加を呼びかけて東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けた「オールジャパン体制」の構築の取り組みも見られます。*4

  1. *3 http://www.aed-zaidan.jp/
  2. *4 https://www.secom.co.jp/corporate/release/2018/nr_20180403.html