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呼吸をしているから大丈夫? いえ、それは死戦期呼吸かもしれません2019.10.15

正常な呼吸と勘違いしやすい“死戦期呼吸”

呼吸をしているから大丈夫? いえ、それは死戦期呼吸かもしれません

AEDの全国への普及にともなって、使いやすい機能を備えた製品が続々と登場してきています。救助しやすい環境を整えるための工夫が進められる一方で、実際の救助に際しては、多くの課題が残っています。例えば、総務省消防庁の報告によれば、平成 29 年中に一般市民が心停止を目撃した傷病者の数は2万5,538 人ですが、そのうちAEDが使用されたケースは1260人と、その数は年々増えてはいるものの、全体の4.9%とまだまだ少ないのが現状です。

では、なぜAEDの使用率が少ないのでしょうか? 「死戦期呼吸」は、その要因のひとつとも言えるのかもしれません。死戦期呼吸は、あえぎ呼吸ともいわれる異常な呼吸で、心停止直後の傷病者にみられます。しゃくりあげるような様子が特徴で、この"死戦期呼吸"を正常な呼吸と勘違いし、「息をしているからきっと大丈夫だろう」と、救急隊到着までAEDによる処置がされなかったり、心臓マッサージが遅れてしまうことが考えられます。

少しでも迷いがあれば救命処置を開始すること

呼吸をしているから大丈夫? いえ、それは死戦期呼吸かもしれません

一般社団法人 日本蘇生協議会が公表している「JRC蘇生ガイドライン2015」の一次救命処置のアルゴリズムでは、傷病者発見後に119番通報とAEDの依頼をしたあとは、まず呼吸を確認。普段通りの呼吸があれば、様子をみながら救急隊を待ちますが、呼吸がない場合もしくは“分からない場合”、すなわち、死戦期呼吸と思われる場合はただちに胸骨圧迫を開始する、としています。

その死戦期呼吸の判断は、AEDのトレーニングを受けている人であっても難しいかもしれません。しかし、ガイドラインには「分からないときは胸骨圧迫をする」と明記されています。この判断こそが大切なポイントで、AEDはたとえ正常な人が装着したとしても心電図解析により電気ショックが施されることはありません。ですから、傷病者の状態に不安な点があれば、迷わず胸骨圧迫・AEDの装着へと手順を進めることが何より大切です。

“迷ったら救命処置を継続する”ことで最善の結果に結びつきますから、ぜひ頭の片隅に意識してみることをお勧めします。

参考:
JRC蘇生ガイドライン2015 第1章 一次救命処置(BLS)
https://www.japanresuscitationcouncil.org/wp-content/uploads/2016/04/1327fc7d4e9a5dcd73732eb04c159a7b.pdf
総務省消防庁 平成30年版 救急救助の現況
https://www.fdma.go.jp/publication/rescue/post7.html