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蘇生ガイドライン2016.03.31

ガイドラインはルールではなく、市民救助者をサポートするための指針

蘇生ガイドライン

つねに進歩を続ける医療技術に合わせる形で、救急心肺蘇生に関する国際的ガイドラインも5年毎に更新されています。ガイドラインを見れば、最新の研究内容を踏まえた心肺蘇生法を把握できるというわけです。

日本国内で一般に公開されている『JRC蘇生ガイドライン2015』は、日本蘇生協議会(JRC)が中心となって、ILCOR(国際蘇生連絡委員会)と呼ばれる国際的な組織で、科学的根拠に基づき提言する治療方針のコンセンサス(CoSTRと呼ばれます)を基に、日本の状況を加味して作成しています。

ガイドラインが示す「標準」は、患者さんに最も効果的な治療の目安が書かれています。それは、医療従事者の学習や経験によるばらつきを解消し、また、効果的な教育の普及にも役立ちます。

また、ガイドライン内容を見直しする事で、最新の知識・情報が反映され、より効果的な治療への発展が期待されます。

大切なことは、ガイドラインはあくまで標準を示すものであり、ガイドラインに掲載されているからといって、法的拘束力があるわけではありません。又、更新された過去の内容が間違っている、或いは使えないというわけでもありません。

たとえば、JRC蘇生ガイドライン2010では、胸骨圧迫のテンポについて「少なくとも100回/分」を推奨していましたが、2015のアップデートでは、1分間あたり100回~「120回」という上限が設定されました。これは従来のガイドラインを否定するものではなく、最新の科学的知見を反映しながら、より判り易く記述されている部分です。

表現をより具体的にすることで、市民救助者が胸骨圧迫のテンポをイメージしやすくなり、訓練を行いやすくなる効果もあるのかもしれません。

心肺蘇生のガイドラインは国によって異なる

蘇生ガイドライン

心肺蘇生ガイドラインは、CoSTRを基に世界各地域の実情に合わせて、国や地域毎に最も相応しい内容が策定されることになっています。

日本とアメリカのガイドラインを比べてみると、心停止の判断からBLSまでの動きで若干ではありますが相違があります。日本(JRC)のガイドラインでは、胸骨圧迫の深さは『胸が約5cm沈む程度で、但し6cmを超えない』としています。一方アメリカのガイドライン(AHA)では「2インチ(5cm)以上、2.4インチ(6cm)以下」に明確化されています。日本(JRC)の約5cmという表現は、傷病者の体型や体の大きさに関する国際的な多様性を考慮した結果であるとJRCガイドラインには解説されています。

ガイドラインは絶対的なものではなく、救助を行う際の指針となる言葉であると覚えておいてください。

『JRC蘇生ガイドライン2015』の改定内容については、下記リンクに抜粋して掲載していますので、ぜひご参照ください。
リンク: http://www.physio-control.jp/blog/cat89/aed_62.html
参考文献:http://www.japanresuscitationcouncil.org/