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消防庁発表の『救急・救助の現況』から2018年の救急救命を振り返る2019.01.31

救命講習の受講者数から
市民の意識の高さが伺える

総務省消防庁は、全国の救急業務及び救助業務の実施状況について、毎年活動報告を出しています。『平成29年版 救急・救助の現況』が今年1月に公開されましたので、少し中身を見てみたいと思います。

平成29年中の救急救助に関するデータをまとめた『救急救助の現況』によれば、消防本部が実施する応急手当講習を193万4,961人もの人が受講したそうです。昨年の受講者数が約185万人ですから、1年間で10万人近くも受講者数が増えたことになります。
では、実際の救急現場での動向にはどのような変化があるでしょうか?
改めて数字を見てみると、応急手当講習受講者数が200万人に迫るという意識の高さに比例するように、救急の現場に居合わせた人によって応急手当(胸骨圧迫・人工呼吸・AEDによる除細動)が行われるケースも増えています。
その数は年々増加しており、平成29年は「一般市民によって目撃された心原性心肺機能停止傷病者25,538人のうち、実に14,448人、56.6%もの人に応急手当が施されました。このうち、一般市民によってAEDを使った除細動が実施された件数は1,260件で、前年より56件増加。一般市民が目撃した傷病者のうち、約4.9%の人にAEDが使われたことになります。

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救急隊到着までの救命処置が、
蘇生率向上の重要な役割となる

続いて、救急出動件数を見てみると、平成29年中は634万2,147件となっており、前年の620万9,964件に比べて約10万件以上も増えています。その影響もあってか、現場到着所要時間は全国平均8.6分で、前年より0.1分増えており、病院収容所要時間については平成25年からほぼ横ばいです。
昨今、救急車の適正利用を促す様々な取り組みがされていますが、高齢化も進み、救急出動要請が増え続ける可能性も否めません。

心停止が起きてから、1分ごとに蘇生率は7~10%下がります。救急要請をしてから救急隊が現場に到着するまでの約8分間、心停止の患者をそのままにしていれば、救急隊が到着したときにはほぼ助からないでしょう。しかし、その間に心肺蘇生を実施し、近くのAEDで一刻も早い処置ができれば、蘇生のチャンスは増えます。迅速な対処は、傷病者の生存率はもちろん、その後の社会復帰率も大きく左右します。一般市民により心肺蘇生が実施されたケースを見てみると、実に11.9%が一ヶ月後には社会復帰を果たしています。一般市民により心肺蘇生が行われかなった場合の1ヶ月後社会復帰率が4.6%であることを考えると、いかに第一発見者による迅速な処置が大切であるかが分かります。
近年の啓発活動の成果もあり、年々AED実施率は向上しています。我々も、引き続き日本の社会の一員として、AEDを使用しやすい環境づくりと、AED使用者のさらなる意識の向上に貢献していきます。

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参考:総務省消防庁ホームページ
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_3.html