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    救急救命を考える Vol.1

山岳地域での
救急救命を考える Vol.12018.03.14

〜登山愛好家やアスリートを支えるプロに聞く〜

山岳地域での<br>救急救命を考える Vol.1

ミウラ・ドルフィンズは、プロスキーヤーとして活躍し、近年では最高齢でのエベレスト登頂を成功させるなど、年齢を超えた偉業に挑戦し続ける三浦雄一郎氏が、コンディションを整えるために設立された低酸素トレーニング施設です。そのミウラ・ドルフィンズで低酸素トレーナーとして、高山病に悩む登山者のサポートを行うのが安藤真由子さんです。また、真由子さんの夫であり、かつてはミウラ・ドルフィンズにも在籍、現在は株式会社スマートコーチングの代表として自転車競技者のプライベートトレーニング事業やサイクルスクール事業を展開する安藤隼人さんに、高山での救急救命の現況や今後の可能性などをお聞きしました。

高山でのリスクを減らす
低酸素トレーニング

山岳地域での<br>救急救命を考える Vol.1

一時期に比べ、登山ブームは落ち着いてきたものの、近年も登山は変わらず人気があり、中高年を中心に高山でのトレッキングを楽しむ人がたくさんいます。
日本一を誇る富士山の標高は3,776mですが、さらに高い山での絶景を求めて海外の5,000m〜6,000m級の山々を目指す人もいます。
各旅行会社が提案するプランにも気軽に海外でトレッキング・登山を楽しめるようにプログラムされたツアーが増えてきました。
エベレストを一望できる約5,500mの拠点には、その絶景を楽しもうと毎年多くの日本人旅行者が訪れるそうです。
一方で、訪れる場所の標高が高くなるほど、いわゆる高山病へのリスクが高まります。
ミウラ・ドルフィンズでは「多くの人に安全に登山を楽しんでもらいたい」という思いから、2005年に一般の登山愛好家が利用可能な低酸素室を開設。海外で登山へ出かける前に、国内で高度順応させることができるトレーニングプログラムを用意し、50代〜60代の登山者を中心に利用者を増やしています。

安全に登山を楽しむための
新しい仕組みづくりを目指して

山岳地域での<br>救急救命を考える Vol.1

山の高みを目指す人の中には“山に行くためには山でトレーニングするしかない”という昔ながらの理論が残っていることも多いそうです。
隼人さんは、旅行会社での勤務歴もあり、経験の多少に関わらず、本人が望めば入山できてしまう現状に危険性を感じていたといいます。
「大自然は時に厳しい一面を見せます。しかし登山はたとえ練習が不足していたとしても、希望のツアーに申し込めば、誰でも参加できてしまうのが実情です。今までは第三者的な立場で、登山者一人ひとりについてのリスクをしっかりと意見できる仕組みがありませんでした。」
ミウラ・ドルフィンズで行っているような登山前の低酸素トレーニングの重要性が着目啓蒙され、最近では渡航前に低酸素トレーニングを受ける登山者も徐々に増えてきたそうです。
たとえ既往症や罹患歴がある人であっても、きちんと自分の状態を把握して事前に高山順応させ、トレーニング中に少しでも問題があれば、連携する医療機関に意見をもらうことで、リスクを最小限に抑えることができると安藤ご夫妻は語ります。

ところで、近年、人が多く集まる公共施設を中心にAED設置が促進され、スキー場や山小屋でもAEDが設置されるようになってきました。登山中には前回のブログでご紹介したとおり「滑落」や「病気」等々が理由で遭難するリスクがあり、AEDの必要性が一定数あることは否めません。

次回は、山でのAED事情に触れたいと思います。