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命のリレーをつなぐ救急救命士2016.11.30

医療機関との連携強化、救急救命士法を制定

命のリレーをつなぐ救急救命士

AEDは特別な資格を持たない一般市民でも使える救命処置の第一歩ですが、処置後は駆けつけてきた救急隊に後の処置を委ねることになります。
救急隊には救急救命士と呼ばれるプロフェッショナルがいます。この救急救命士は、救急現場や病院までの搬送中に、医師の指示の下で患者さんに色々な応急処置を行います。

ところで皆さんは、救急救命士制度の成り立ちをご存知ですか?

かつて日本では、救急現場での応急処置に大きな制限がありました。心停止患者を目の前にしても、救急隊員には医療処置が認められていませんでしたので、救急隊員は傷病者を病院へと運ぶことしかできませんでした。

しかし、心肺停止患者の社会復帰率の低さが問題視され、救急の現場での迅速な応急処置の必要性が叫ばれるようになりました。
その後、メディアや世論の後押しを得て、一定の研修を終了し、国家試験に合格した有資格者に医師の指導下での医療行為の一部(特定行為と呼ばれます)を認める「救急救命士法」が制定されたのが1991年(平成3年)、今から25年前のことです。

救急救命士と呼べるのは、国家資格を有した人のみです。特定行為の中には、胸骨圧迫(心臓マッサージ)や除細動(電気ショック)が含まれ、現在では一定の条件の下で、気道を確保するために気管にチューブを挿入したり、薬剤投与を行うこともできるように処置の範囲が拡大されて来ました。
この救急救命士法の登場により、一歩踏み込んだ応急処置を行うことができるようになったのです。

第一発見者から救急救命士につなぐ命のリレー

もしも心停止の恐れのある人を発見したら、真っ先に119番に連絡して助けを求めることが重要です。

ただし、その時の交通状況等により、救急隊が直ちに到着できない場合もあります。総務省消防庁発表の平成26年のデータによると、救急車の現場到着所要時間は、全国平均で約8.6分となっており、救急車の到着時間は年々延伸傾向にあります。

一方、心停止から蘇生のチャンスは1分毎に7~10%減少します。心停止を起こした人の救命の可能性は、除細動(電気ショック)までの時間が短ければ短いほど高まります。

いくら救急救命士が医師の指導下での医療行為の特定行為ができるようになったとしても、心停止の際は、すぐに患者に救命処置を行わなければ救える可能性のある命は救われません。

だからこそ、突然の心停止が発生した場合は、救急車の到着までに一般市民が行う応急手当が救命を左右すると言われているのです。
ただ救急車の到着を待つのではなく、到着まで胸骨圧迫(心臓マッサージ)をおこなったり、最寄のAEDを手配するなど私達にでも出来る事から勇気をもって実施することが大切です。

25年前までは救急隊でさえも現場での処置が認められず患者を運ぶだけでした。

現在では未だ不十分だと云われながらもAEDの普及や胸骨圧迫(心臓マッサージ)のトレーニングが、一般市民間にも広まり、突然心停止から救命されるケースも少しずつ増えつつあり、時代の流れと共に医療における環境の変化が感じられます。

まずは普段から生活習慣病に気を配るなどして心停止を予防し、もし万が一の事態が起きたら早期通報と一次救命処置、そして救急救命士や医師の治療へとスムーズに引き継ぐことが救命率向上に有効です。

この「救命の連鎖」を意識して、万が一の際にも落ち着いて動ける心の準備をしておきましょう。命を救うのは全ての人の力です。傷病者の命を救い、社会復帰に導くためにはスムーズな「救命の連鎖」がとても大切なのです。

救命の連鎖

※救急蘇生法の指針2015(市民用)を参照、画像再構成 https://www.fdma.go.jp/neuter/topics/kyukyu_sosei/sisin2015.pdf