まずは命が最優先
男女のCPR/AED被実施率に関する調査から2019.11.29
CPR/AEDの被実施率、男女に差

アメリカのペンシルバニア大学の研究によれば、2011年から2015年に発生した19,331件の心原性の事故を調査したところ、居合わせた救助者によるバイスタンダーCPR被実施率について、傷病者の男女で大きな差があることが分かりました。家庭では男女差は無く、公共の場ではCPRが実施されたのが男性で45%、女性で39%となりました。退院するまでの生存率を見ると、さらにその差は歴然で、男性のほうが女性よりも23%も高いという結果が報告されています。
日本ではAEDの電極パッドが装着されたかどうかを調べた京都大学などの研究グループによる調査結果で、小学生と中学生では男女差は無いものの、高校生になると大きな男女差が出てくることが発表されています。具体的には、AEDのパッドを貼られた割合は、男子生徒83.2%、女子生徒55.6%となり大きな差が生まれたという報告です。
なぜこの差が生まれるのでしょうか?
CPR/AEDを実施する際、公共の場でのジェンダー意識、電極パッドを素肌に貼らなければならないため、患者が女性の場合は、抵抗感を伴うのが一つの要因ではないかと言われています。
性別によらず、まずはCPR/AEDを優先

まず頭に入れておきたいことは、一刻も早いCPRとAEDの使用がなにより優先されるということです。救命処置であれば、救助者が痴漢やセクハラに問われることはありません。しかし、無用な心配や戸惑いを避けるためにも、女性を救助する際の心構えや対処方法を事前に確認しておくと良いかもしれません。
たとえば、電極パッドを貼る際は、ブラジャーの位置を避ければ、服をすべて脱がさなくても問題なく、電極パッドを装着後であれば、上から服等をかけても処置に問題がでることはないという見解もあります。
誤解を防ぐためにも、まず傷病者を発見した際は、大きな声で救助を求めて、一刻も早く救命処置が必要なことを伝えましょう。そうすることで、同性の手助けも得やすくなると同時に、もし周りに人がいれば、衣服などで覆って人目から隠してもらう対応をお願いできますし、人垣を作るなどの配慮もしやすくなるはずです。又、日頃から救命講習を受講しておくことで、いつでもどんな状況でも対応可能なようにしておくことが最も重要です。
女性だとAEDが使われない? 救命処置の男女差 NHK生活情報ブログ
https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/1100/406175.html