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心停止かわからないのに、胸骨圧迫してもいいの?2019.12.13

心停止か分からない場合は、ただちに胸骨圧迫を

心停止かわからないのに、胸骨圧迫してもいいの?

とっさの判断が、命を左右する救急救命の現場。もし目の前で人が倒れたら、すぐに行動に移せますか?突然のことに、心中に去来するさまざまな思いがあると思います。たとえば、「もしも倒れた人が、まったく心停止とは違う原因だったら?」「(胸骨圧迫)心臓マッサージなんて必要ないのではないか?」「胸骨圧迫が強すぎて、助けるつもりが、逆に怪我をさせてしまわないか!?」実際に、そんな不安がよぎる方が少なからずいらっしゃるようです。では、普段私たちはどんな心構えでいればいいのでしょうか?

JRC蘇生ガイドライン2015では、傷病者が"心停止の疑い"があった場合、又はその判断に自信が持てない場合は、CPR(心肺蘇生法)の適応と判断し、ただちに胸骨圧迫を実施することを強く推奨しています。
つまりは、医療従事者でない市民救助者は、迷ってしまったらまず胸骨圧迫を行うべきであるという考えです。

市民救助者は恐れることなく、何より行動が大切

心停止かわからないのに、胸骨圧迫してもいいの?

ただちに胸骨圧迫と分かっていても、本当に大丈夫なの?というのが素朴な疑問として持たれる方は少なくないと思います。

JRC蘇生ガイドライン2015では、心停止でない傷病者に対してCPRを実施された観察研究4件(計762名)について紹介しています。そこでは、救命処置が行われたケースに関しての追跡調査3件(計345名)を行なった結果、1.7%の割合で胸骨圧迫時の骨折(肋骨と鎖骨)、8.7%の割合で胸骨圧迫を受けた部位の痛みが認められたものの、内臓損傷など臨床的に問題となるケースはなかったと報告されています。つまり、心停止かどうかわからなくても、その疑いがある場合は迷わず救命処置として胸骨圧迫を行うことは、心停止でない傷病者へCPRを行うことによるわずかなリスクより優先され、その有益性がガイドライン上でも重視されています。

とっさの判断と行動を起こすためには、日頃の訓練が必要です。そのために、定期的に救命講習を受講することをおすすめします。胸骨圧迫の部位、深さ、適切なテンポ、圧迫の解除、中断を最小化などの知識・技能をつねに持っておくことができれば、万が一の事態にも冷静に対処できるはずです。
過去に救命講習を受けたことがある方でも、改めて講習を受けることで、救命の意識と感覚を維持することができるはずので、ぜひ再度の受講をご検討ください。

参考:
JRC蘇生ガイドライン2015オンライン版‐第1章 一次救命処置(BLS) https://www.japanresuscitationcouncil.org/wp-content/uploads/2016/04/1327fc7d4e9a5dcd73732eb04c159a7b.pdf