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体内に植込むタイプの除細動器を知っていますか?2016.07.14

心臓の状態をつねに監視して必要な治療を行うICD

広く普及が進みつつあるAED、日本語では自動体外式除細動器です。

わざわざ"体外式"と表記するということは、"体内式"もあるの?と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、その通りです。

AEDは体の外部(体表面)から電気ショックを与えて除細動を行うのですが、体内(胸部)に植込んで除細動を行う機器を"ICD"と呼びます。

ICDは日本語では「植込み型除細動器」と呼ばれ,英文名のImplantable Cardioverter Defibrillatorの頭文字をとったものです。心臓の状態を常に監視し、心室が小刻みにけいれんした状態になる心室細動や血液を送り出すことが出来ないほど早く拍動する心室頻拍を感知して自動で電気ショックを行う装置です。

同じく胸部に埋め込んで使われるペースメーカーと混同されがちですが、ペースメーカーは徐脈、つまり脈拍が非常に遅くなり、必要な血液が充分に送れなくなるような状態になった時、心筋に電気刺激を与えることで正常な脈拍数に戻す働きをする装置です。

ICDは、逆に心室頻拍・心室細動という危険性の高い頻脈を常時監視して、異常発生時にはすぐに電気ショックにより。心臓の正常な動きを取り戻すための装置です。また、ICDの仲間には、徐脈になった場合にペースメーカーの役割を行うものもあります。

ICDの働き
不整脈の状況に合わせた3つの治療方法

ICDが心臓の状態を監視中に心室頻拍や心室細動などの異常を感知した場合は、その状態に応じて3つの治療が施されます。

脈拍が異常に早くなる心室頻拍を検出すると、その脈拍数よりも少し早いリズムの電気刺激を与えることによって、正常なリズムに戻すことをまず試みます。これは抗頻拍ペーシングと呼ばれます。これで頻拍が止まらない場合には、より重篤な不整脈が起こらないように心電図の特定のタイミングに合わせて電気ショックを行います。この様に心電図の特定のタイミングに合わせて電気ショックを行い、リズムを元に戻す治療をカーディオバージョンと呼びます。

心室頻拍の場合はこれら2通りの対処が行われますが、心室細動が検出された場合には直ちに強い電気ショックを与えてバラバラに興奮している心室を一旦リセット(電気的除細動)し、正しいリズムの拍動を回復させます。

ICDを使った治療は、過去に一度でも心室頻拍や心室細動を起こしたことがある方などに対して、医師が「ICD以外による治療の有効性が考えられない」と判断した場合に勧められます。

日本では1996年よりICDが植え込まれるようになり、現在は年間約6,000人以上の方が植込み手術を受けています。ICD植込み後は、ペースメーカーと同様に「IH炊飯器やIH調理器に近づかないようにする」「病院でのCT検査などを受けるときには申告する」「エンジンのかかっている車のボンネットを開けてエンジン部分に身体を近づけない」などの日常の生活で注意が必要になる事があるといわれています。

ICD治療を行っている本人や家族の不安は大きいですが、少しでも不安感から解放された生活を送れるよう、正しい知識や情報を身につける事がとても大切です。詳しいICDの情報は各メーカーのホームページで公開されている事もありますので、是非見てみてください。

http://www.jadia.or.jp/images/poster/wide/ICDguide.pdf